ビークロス 10年早すぎた悲しきSUV|美しいデザインの日本車

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ビークロス(VehiCROSS)は、時代を先取りしすぎたかわいそうなクルマです。

現在では、ドラックなどの商用車の製造をしている自動車メーカ「いすゞ」が開発したクルマです。
今の若者は「いすゞ」と言えばトラックであるが、2002年まではビッグホーンなどのクルマを製造販売していたメーカーである。

ビークロスは発売されたのは1997年ですが、実はその4年前の東京モーターショーで、ビークロスの前身「ヴィークロス」を出品している。全身といってもデザイン的にはほぼビークロスと同じである。

当居うモーターショーに出展されたヴィークロスは、当時のデザインとしては圧倒的に未来的であり、それでいて奇抜ではなくまとまりのある美しいフォルムでで大注目を浴びました。そしてその時言われていたのは「このままのデザインで販売することはできない」でした。

しかし、その4年もビークロスは、4年前のコンセプトモデルそのままに、販売されました。これだけでもビークロスのデザインが突出していたかがわかります。

今でこそ、SUVというジャンルは認知されブームとなっているが、当時はクロカンと呼ばれるオフロードに寄った泥臭いクルマが主流だった。「SUV」「クロスオーバー」+「スペシャリティ」のジャンルのクルマは皆無であり、ビークロスは、この未来を先取りしたクルマである。

そして、そのコンセプトを具現化したデザイン、現代の感性でビークロスをみても十分競争力のあるデザインである。数年前にjeepからイヴォーグが発売されたときもあのデザインに衝撃をうけたが、衝撃の度合いで言ったら当時のビークロスのほうが上であったと思う。

そんなビークロスは日本国内販売は2000年、北米では2002年まで販売されていた。海外でも人気の高かったクルマで、特に比較的高所得者に好まれていた模様。この辺も現在のSUVブームと類似している点ですね。

今も続くSUVブームを先取りし過ぎたSUV「ビークロス」。
よく「あと〇年早く生まれていてば…」というのは耳にするが、「あと10年遅く生まれていれば…」なんて言われるクルマは、ビークロスくらいかもしれない。