新型ハリアー(80系)が発売されて、ネット上で賛否両論になっている「ハリアーのリアウインかの位置」。問題ないから販売されているわけだが、法律上はどんなルールなのだろうか。
新型ハリアー(80系)のリアウインカーの位置
各所のレビューや口コミ情報を見てみると、
「位置が低すぎろ!」
とややネガティブな評価をされている新型ハリアー(80系)のリアウインカーの位置。
実際のところどこに配置されているかというと…
ここです。
確かに、一般的に反射板が配置される場所にリアウインカーがある。
先代のハリアーは、上段のテールランプと同じところにあった。新型ではリアテールを細く真一文字なデザインにしたことの弊害なのか。トータルなデザインの都合上、下に移動。
更に実際点滅している動画はこちら。広島トヨペットさんの動画です。
暗がりの中でのリアウインカー点滅なので、見づらいとかの違和感は少ないが低い位置にあることは間違いない。
新型ハリアー(80系)のリアウインカーの評判
私的感想だけでなく、ネット上での評判の見てみよう。
ハリアーのリアウインカーが見えにくい問題については、ほかにもたくさんの意見が出ている。
総じて「わかりづらい」「見えにくい」「見えない」な意見である。
法律的にはリアウインカー位置のルールについて
まぁ結論から言えば、トヨタから発売されているクルマなわけで、法律に違反しているわけがない。
でも、せっかき気になった情報なので、リアウインカーの位置についての法律上の正しい知識について整理しておく。
リアウインカーの位置については「道路運送車両の保安基準」で示されている。
国土交通省の道路運送車両の保安基準についてはこちら
1~37条までそれぞれ細かく明記されており、リアウインカーについては「41条 方向指示器」に書かれている。
今回の話に関係ある箇所を抜粋してみる。
2 方向指示器は、次の基準に適合するものでなければならない。
(1) 方向指示器は、方向の指示を表示する方向100メートルの距離から昼間において点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。(2) 方向指示器の灯光の色は、橙色であること。
(3) 方向指示器の指示部は、次の表の上欄に揚げる方向指示器の種別に応じ、同表の下欄に揚げる範囲においてすべての位置から見通すことができるものであること。
<表抜粋>
イ 方向指示器の中心を通り自動車の進行方向に直交する水平線を含む、水平面より上方15度の平面及び下方15度の平面並びに方向指示器の中心を含む、自動車の進行方向に平行な鉛直面より方向指示器の内側方向45度の平面及び方向指示器の外側方向80度の平面により囲まれる範囲3 方向指示器は、前項に揚げる性能を損なわないように、かつ、次の基準に適合するように取り付けられなければならない。
(2) 方向指示器は、車両中心面に対して対称の位置に取り付けられたものであること。
(3) 最内側にあるものの最内縁の間隔は、600ミリメートル以上であり、かつ、それぞれ最外側にあるものの指示部の最外縁は、自動車の最外側から400ミリメートル以内となるように取り付けられていること。
(5) 二輪自動車、側車付二輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外に備える方向指示器は、その指示部の上縁の高さが地上2.1メートル以下、下縁の高さが地上0.35メートル以上となるように取り付けられていること。
…みたいな感じ。
あいかわらず読解するのがめんどうくさい。
日本語に意訳するとこんな感じになる。
- 昼間、100m離れていても見えること
- オレンジ色であること
- ある一定の角度からでもちゃんと見えること
- 左右対称に配置すること
- 左右は60cm以上離すこと
- 高さは210cm以下、地上から35cm以上に配置すること
今回のハリアーのリアーウインカー疑惑の論点は、6番目の「地上から35cm以上に配置すること」に抵触するかだ。
リアウインカーの地上からの高さは、19インチホイールの直径とほぼ同じであった(偶然)。
これをもとに計算すると48cmくらい。もちろん目測+簡易計算なので誤差はあるが、道路運送車両の保安基準の「地上から35cm」は十分満たすであろう。
※19インチホイールの外側の外径は19インチでないというツッコミはなしで。便宜上来れ計算しているが、どの道悪い結果にはならないので。
というわけで当然の結果ではあるが
新型ハリアー(80系)のリアウインーの位置は、地上から35cm以上の位置にあるので、法律上問題ない!