ひと昔前であれば、新車購入の方法は「現金一括払い」か「カーローン」の2種類がメインであった。しかし、今のご時世クルマの買い方・お金の支払い方は多様化している。
例えばカーリースや残価設定ローン(クレジット)。最近ではサブスクと呼ばれるサブスクリプションなる支払い方法もある。これらの違いを整理し、それぞれのメリットデメリットについてまとめたいと思う。
クルマは高い買い物。少しでもお得な方法を理解しておくのは大事なことある。
残価設定ローン(クレジット)とは?
残価設定ローン・残価設定クレジットは、ほとんどのクルマメーカーのCMで宣伝しているので、よく知るクルマの買い方だと思う。
「月々〇〇円で乗れる!」
〇〇円は、普通のカーローンでの支払い額よりかなり安い。
ただし、CMでのうたい文句を鵜呑みにすると痛い目を見る。
残価設定ローンのずるいとところは「普通に買うより安い支払額でクルマを手に入れられる」かのような印象を与えるところです。
月々の支払額がお安いのは事実なのですが…。
ここのカラクリは、クルマを購入時に、数年後に買い取ってもらうことを前提にその買い取り金額分を最初から差し引いてローンを組むところです。
例えば、
200万円のクルマを5年後に購入時の40%の値段で買い取ることを前提とした場合、総支払額は、200万円の60%である「120万円」(便宜上、金利等は無視)を支払うローンを組みことなる。これなら200万円のろーんより月々のしはらいがくが安いのは当然である。
ただしこの場合、6年目にクルマを手放さなくてはならず、新しくクルマを購入する必要がある。
もう一つの選択肢として、同じクルマを6年目も継続して所有することも可能であるがその場合は残りの40%80万円を支払わなくてならない。
価格のキモとなる残価設定額の率は、車種、グレード、色など多くの要素を基準に設定されるもので一定ではない。単純に言うと数年後にも人気のあるクルマ(車種、グレード、色…)は残価が高く設定される。つまり支払総額が少なくなる。
また、この残価設定ローンを組んでもらうことに各メーカーとも積極的で、決算期などクルマをたくさん売りたいとき残価設定ローン(クレジット)の金利を普通のカーローンより安く設定することが多い。私はまだ利用したことはないが、目先だけみているお客には、安い月々の支払額でクルマに乗れるので魅力的に見えるのかもしれない。残価設定ローンを利用するお客はそれなりに多いと聞くし。
もし、残高設定ローン(クレジット)を利用するのであれば
「人気のクルマ」
を
「残価設定ローンの金利キャンペーンしているとき」
に購入するのが、絶対にお得である。
ただし、注意点が一つ、残高設定された期間を過ぎて継続して同じクルマを乗る場合(=残高設定額に対して改めてローンを組む場合)その金利はキャンペーン優遇金利ではなくなることに気を付けてほしい。
<残価設定ローンのメリット>
・月々に支払額を安く抑えられる。
・残価(クルマの買い取り額)があらかじめ設定されているので、金銭面で計画的にクルマに乗れる。
・数年で新しいクルマに乗り換えられる
<残価設定ローンのデメリット>
・数年でクルマを乗り換えなくてはならない(もしくは残価を支払い継続所有する)
・厳密には、クルマの所有者になれない。残価ローンを組んでいる信販会社等が所有者。勝手に売却はできません
サブスクリプションとは?
昨今はやりの言葉でもある「サブスク」。
サブスクリプションを和訳(直訳)すると「予約購読」となる。ただし、一般的な意味あいとしては「定額料金を払うことで、その範囲内で自由そのサービスを受けることが出来る」な感じです。
amazonプライムビデオは、月額料金を払えばその中にある映画は見放題。音楽や雑誌、漫画などにも同様のサービスがある。元々はエンタメ系業界ではやり始めた仕組みですが、今では無形のサービスとかでもサブスクが流行っている。
本題に戻って、クルマにおけるサブスクリプションとは
「クルマにかかる費用をまとめて月々定額〇〇円でクルマに乗れるサービス」
となる。
そして気になるのは「クルマにかかる費用」の範囲である。
一般的には、クルマ自体の価格、関連する税金、車検、任意保険、故障を含むメンテナンス費等です。
逆に含まれないのは、駐車場代、ガソリン代 等です。当然ですが、高速料金も含まれない。
クルマのサブスクの代表格「トヨタのKINTO」を例にあげてみると…
パッソが月々32,780円で乗れる!
ボーナス月加算支払い有りにすれば、月々の支払はもっとお安くできる。
「新型ハリアーが月々26,510で!」なんて甘いコピーも出ているが、カラクリはボーナス月に支払額が16.5万円加算されるようだ。うまい話にはご注意を。
カーリースとは?サブスクとの違いは?
そして次は「カーリース」
カーリースとは、月々定額でクルマに乗れるサービスである。
「え?サブスクと何が違うの?」
と思った方がほとんどだと思う。私自身も最初は区別することが出来なかった。
調べてみた結果、
サブスクとカーリースは、サービス名称として2種類あるが実態としてはサブスクリプションとカーリースは同義と考えていいようだ。
しいて色分けするのであれば、一般的に
「サブスクリプションは、任意保険が含まれている。」
「カーリースは、任意保険が含まれていない。」
な感じである。
断っておくが、あくまで「一般的」な話であり、決まり事ではありません。
もう一つ、「一般的」にで言うのであれば
カーリースは法人向けのサービスなイメージがある。あくまでイメージであるが。
こんなやや「ややこしい」サブスクリプションのメリットは、大きく2点ある。
(あくまで、クルマの購入と比べての相対的な評価ではあるが)
1点めは、
月々定額料金でクルマに乗れること。
安いという意味ではなく、支出の計画を立てやすいという意味で。
クルマを購入した場合は、月々に必要な一定ではなくイベントの有無でかかるお金は大きく変わる。例えば年一回税金の支払いや任意保険、数年に一度の車検、不定期に発生する修理メンテナンス費用など。
サブスクにすれば、これらの出費を気にする必要がなくなる。
2点めは、
短いサイクルでクルマの乗換えが可能なこと。
家族構成等によりその時々のベストなクルマは変わってくる。家族が増えれば、小型車からミニバンへ。巣立てばその逆も。
状況に応じて、クルマを変更できるのは、ある意味で無駄のないスマートな生活スタイルである。ただし乗換えに伴う多少の料金は発生することもお忘れなく。購入した場合のクルマを買い替えにくらべれは一般的には安く済むはず。
素言う意味で、生活スタイルに合わせてフレキシブルにクルマも変えることを想定する人にとっては、サブスクリプションというクルマの所有の仕方もアリかもしれない。
最後に
残高設定ローン、残高設定クレジット、サブスクリプション、カーリースについて説明したが、クルマを所有し続ける前提で言うならば、現金一括払いがどんなことをしても一番支払額は酢kなく済むことをお忘れなく。
「月々支払いをする=借金をする」ある時点で、返済金利が発生するので最初に現金一括払いよりお得に買えるはずはないので。